チームを支える下部組織の存在
ゼロックス・スーパーカップ.
浦和を応援している身として,この話題に触れないわけにはいかない.
浦和 0-4 G大阪
結果として4失点の完封負け.
浦和自慢の攻撃陣は完全にシャットアウトされ,自慢の守備陣は崩壊した.
その試合内容も結果が示すとおり,終始ガンバペースで試合終了のホイッスルを聞くことになったのだから,昨年の浦和からしてみれば考えられなかった.
たしかにけが人は多かった.
昨季JリーグMVPの闘莉王に加え,代表クラスにまで成長した長谷部や相馬といった豪華メンバーがベンチ入りもせずスタンドから応援していた.
それでも内容はひど過ぎたように感じられた.
浦和サポーターからのブーイングの理由は,誰の目にも明らかで,選手たちもサポーターに何も言い返せないのが悔しかっただろう.
対照的にガンバは非常にいい戦いができていたと思う.
試合を見ている限り,ほぼ全員のコンディションがよかった.
浦和ディフェンスがクリアしたボールのほとんどをガンバが拾っていた印象を誰もが受けたことだろう.
攻め続ける事で,浦和に攻撃をさせなかった.
多くの攻撃はシュートで終わる事ができていたし,その運動量は浦和を凌駕していた.
そして今年もマグノアウベスの存在感は健在だ.
昨日はスーパーカップ初のハットトリックを記録した.
昨シーズンのようなスーパーゴールはなかったにせよ,こぼれ球を押し込める選手は嗅覚があると言われる.
一人で崩して一人でゴールを陥れるマグノアウベスが,昨日のようなゴールを積み重ねれば,もしかするとシーズン30ゴールを記録するかもしれない.
それが期待できる選手だということは多くのファンがご存知だと思う.
ユース上がりのSB安田理大も,大胆な攻め上がり,初先発とは思えない活躍を見せ,シーズン開幕のレギュラーをぐっと引き寄せた.
私にはガンバユースは非常によい選手を輩出する印象がある.
昨日活躍した安田や,日本期待の若手家長,オシムジャパン入りも果たした二川,ザルツブルグ入りを決めた宮本,ガラタサライで不動のレギュラーとして活躍する稲本もガンバユース出身だったと記憶している.
高校サッカーや,他チームからの補強を主にするチームが多い中,ガンバを支えているのは下部組織なのかもしれない.
このことは世界を沸かせるF.C.バルセロナにも言えることだ.
多くのチームの模範となるようなすばらしい下部組織をもつガンバに対し,見習うべきところが多いのが,昨季王者の浦和なのかもしれない….
下部組織の充実がJリーグの課題の一つだろう.
そういった意味では,小さいタイトルとはいえ,スーパーカップを浦和ではなくガンバが掲げた事は日本サッカー界にとってよかったのかもしれない.
個人の意見としては残念ではあるが.
そして,Jのどのチームもほしがったであろう阿部の活躍が見る事ができなかったのが一番残念だった.